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2010年1月24日日曜日

蜀の味、天府の国の食卓へ*(二)

調味料至上主義
中国人に言わせると、味に関して、四川人は相当にうるさいです。その肥えた舌が「麻婆豆腐」や「担担麺」といった名料理を生み出してきた。辛いもの好きとはいえ、ただ辛いだけの味を、四川人は鼻にもかけない。では、何が四川料理を四川料理たらしめているのか?
意外に思われるかもしれないが、四川人が最も重視するのは香りで、味わいはその次なんだ!
唐辛子、山椒、大蒜、生姜、八角、山奈、丁香、桂皮など、そして四川独自の調味料である郫県の豆瓣醤、永川の豆豉(ドウチ)、宜賓の芽菜、涪陵の榨菜、自貢の井塩、瀘州の木姜油。。。。。。素材そのものの味よりも、多様なスパイスによって醸し出される複雑な香りこそが四川の味。
日本人や広東人とは違い、自然の味だけには拘らない。調味料こそ命です。
四川には「一菜一格 百菜百味」という言葉がある。一つの料理に一つの品格、百の料理に百通りの風味、という意味で、四川料理の「調味料至上主義」をうまく表現している。「宮保」「魚香」「家常」「怪味」「水煮」「飄香」「干焼」など、多彩な味を生み出す源泉となったのも、この思想からにほかならない。まさに、素材に左右されない料理系統。四川料理が中国全土をあまねく席巻することができたのにも頷ける。

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